2014年 10月 03日
「誰も見ませんよ」問題(2)
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前回は「誰も見ませんよ」とは
建物の細部の打合せの際、現場から言われることがあるセリフという話でした。
では、なぜ私がそのように誰も見ないような細部に
拘らなければならないのかについて考えていきたいと思います。
それには、自らの空間に対する経験が影響しています。
私は、なるべく様々な建物を実際に見に行って
様々な空間を実際に体験するように心がけています。
そうした空間体験の中で、
とても居心地の良い空間だな~とか、
緊張感のある静謐な空間だな~というように
空間から様々な印象を受け取る訳です。
しかし、その空間から特に受け取るそのような良い印象や感情は
どこからくるものなのだろうと改めて考えると
それはやはり、その設計者の様々な細部の拘りが大きく影響していることに気付くのです。
もちろん空間をかたち作るものは細部だけではありませんが
しかし、その拘りの細部の積み重ねが、
空間全体の印象の違いとなって現れると、私は感じている訳です。
つづく
佐々木 剛
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