2015年 03月 18日
「誰も見ませんよ」問題(4)
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前回は、「誰も見ない」というのは
「意識して見ないということであって、
見えていない訳ではない。」という話でした。
ここまでは建物や空間の印象を決める上で
細部が重要でその理由を、長々と書いてきた訳ですが、
では、その理論を実際にどのように説明すれば
スムーズに打合せできるのかという問題があります。
色々と考えたのですが、「そんなの誰もみない」といっている人に
「意識して見ないだけで、見えている」といったところで問題は解決するでしょうか。
結局、問題は「見る・見ない」というところではないのだと思います。
では、なぜ現場からそのようなことを言われるのか
それは、設計者がどんな空間にしたいのかという思いを
現場に対して明確に示すことができない為、
共感が得られていないのが原因だと考えた訳です。
人にはそれぞれ性格があるので一概には言えませんが
自分達がつくろうとするものが共感できないからこそ、
今までの自分のやり方や価値観の中で
設計者の指示が自らの経験の範囲に納まらない時、
反発心も含めて、「誰も見ませんよ」と言って攻撃してくるのだと思うのです。
結局、現場に対して、今自分達が何を目指してつくっているのかを
共感してもらうことができなかったという
コミュニケーション不足が問題だったのだと思います。
佐々木 剛
つづく
散歩していた時に、足元にふきのとうが咲いているのをみつけました。
春が近づいてきました。
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