2007年 12月 11日
エントランスのこだわり
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こんにちは「TSUYOSHI」です。
12月に入り、今年も残すところあと僅かになりました。
日ごとに寒さも強くなり、朝起きるのがつらくなり、
都内の木々も、漸く葉をおとしはじめ、
紅葉が見られるのも、あと少しといった感じでしょうか
ここ数年、地球温暖化の影響なのか
紅葉があまり美しく色づかなくなったような気がしていました。
しかし、今年は急に寒くなったせいか
都内の紅葉が美しく色づいているような気がします。
鮮明に色づく木々を見ていると
日本に四季があるというありがたさと
自然環境を守る大切さを感じずにはいられません。
毎年このような美しい紅葉が見られるように
個人的にも、環境を守る努力をしていかなければと思う今日この頃です。
今、私は去年から設計を行ってきた
図書館の改修工事の工事監理を担当し、
その工事が大詰めを迎えています。
改修の主な内容は、耐震補強とバリアフリー化工事ですが、
バリアフリー化に伴って、
図書館に新しいエントランスをつくることになっています。
建物のエントランスは、建物を利用する人が、
建物との最初の接点になる重要な空間です。
建物のエントランスを考える時には、
二つの方向性があると思います。
一つは、エントランスとして、その存在をいかに主張するか
もう一つは、内部と外部をどのように転換するか、あるいは連続させるかです。
私は、エントランスを考える時に、
内部と外部の連続性という部分を常に意識しています。
これは、そのような連続性をもつことによって
人を自然に外部から内部に引き入れる効果をもたせると同時に
様々な都合により、狭くなりがちな空間を
外部空間と一体的にすることによって、
実際よりも広がりのある空間にする為です。
話は戻りますが、この図書館の新しいエントランスは、
既存の階段下から、元々あった1室に風除室を設けて
エントランスを新設するという設計でした。
そこで、設計では階段下のポーチ状の空間と風除室の
床、壁、天井に同じ建材を使用しました。
特に壁には、その形状と質感が印象的な足場板を採用し、
連続性がさらに強調するように考えています。
また、その壁と天井面を同じ位置にそろえることで
内部と外部の連続性を確保するように考えました。
←少し前のエントランス部分の現場の様子
しかし、これだけでは、連続性の確保が十分できたとは言えません。
それは、この内部と外部を仕切る部分に建具の存在がある為です。
当然のことながら、このエントランスにも内部と外部を仕切る境界に
ステンレス製の自動ドアがつくことになっています。
自動ドアには、ドアを開閉するための駆動部分があり、
これらはメンテナンスが必要な為、
外部から点検できるようにする必要があります。
また、建具には、建具を構成する枠・方立・無目
扉を構成する框が必要になります。
こうした駆動部分や枠・框は、
その他の部分に透明なガラスを採用しても
内部と外部の連続性を阻害することになるのです。
そこで、この自動ドアの駆動部分や枠・框を
どのように納めるかの検討が始まります。
枠は見付を見せずに壁と同面に納めたり
エンジン部分を天井内に納め、メンテナンスは、
風除室内に設ける天井点検口から行うようにしたり、
扉の框は、エンジン駆動部内部に納まるようにしたりと・・・
ここまで来ると、設計だけではなく、
施工者やメーカーの協力も大切です。
壁面と枠を同面で納めることは、高い施工精度が求められますし
自動ドアの細かな納まりや寸法も重要度を増してきます。
そして、目下の課題は、駆動部の点検口をどう納めるかです。
いかにこの点検口がきれいに納まるかで、
さらに、より良いエントランスになると思います。
今は、様々な建物のエントランスを改めて観察したり
工事監理で現場に行くごとに
このエントランスをどのように納めていくかで
施工者とケンケンガクガクの議論を交わす日々が続いています。
施工者には、良くこんなこと言われます。
「そんな細かいところ誰も見てませんよ!」
確かにそんな細かいところをじっくり見る人は
我々のような仕事に携わる人達だけかもしれません。
しかし、そのような細かい部分、一つ一つの積み重ねが
見た目にも美しく、魅力ある空間になると確信しています。
そして、今日も細かいことに悩む日が続いていきます。
というところで止め処もなくなってきたので、この辺で終わりにしたいと思います。
このエントランスの完成写真は又の機会に・・・
それでは、また
12月に入り、今年も残すところあと僅かになりました。
日ごとに寒さも強くなり、朝起きるのがつらくなり、
都内の木々も、漸く葉をおとしはじめ、
紅葉が見られるのも、あと少しといった感じでしょうか
ここ数年、地球温暖化の影響なのか
紅葉があまり美しく色づかなくなったような気がしていました。
しかし、今年は急に寒くなったせいか
都内の紅葉が美しく色づいているような気がします。
鮮明に色づく木々を見ていると
日本に四季があるというありがたさと
自然環境を守る大切さを感じずにはいられません。
毎年このような美しい紅葉が見られるように
個人的にも、環境を守る努力をしていかなければと思う今日この頃です。
今、私は去年から設計を行ってきた
図書館の改修工事の工事監理を担当し、
その工事が大詰めを迎えています。
改修の主な内容は、耐震補強とバリアフリー化工事ですが、
バリアフリー化に伴って、
図書館に新しいエントランスをつくることになっています。
建物のエントランスは、建物を利用する人が、
建物との最初の接点になる重要な空間です。
建物のエントランスを考える時には、
二つの方向性があると思います。
一つは、エントランスとして、その存在をいかに主張するか
もう一つは、内部と外部をどのように転換するか、あるいは連続させるかです。
私は、エントランスを考える時に、
内部と外部の連続性という部分を常に意識しています。
これは、そのような連続性をもつことによって
人を自然に外部から内部に引き入れる効果をもたせると同時に
様々な都合により、狭くなりがちな空間を
外部空間と一体的にすることによって、
実際よりも広がりのある空間にする為です。
話は戻りますが、この図書館の新しいエントランスは、
既存の階段下から、元々あった1室に風除室を設けて
エントランスを新設するという設計でした。
そこで、設計では階段下のポーチ状の空間と風除室の
床、壁、天井に同じ建材を使用しました。
特に壁には、その形状と質感が印象的な足場板を採用し、
連続性がさらに強調するように考えています。
また、その壁と天井面を同じ位置にそろえることで
内部と外部の連続性を確保するように考えました。
←少し前のエントランス部分の現場の様子
しかし、これだけでは、連続性の確保が十分できたとは言えません。
それは、この内部と外部を仕切る部分に建具の存在がある為です。
当然のことながら、このエントランスにも内部と外部を仕切る境界に
ステンレス製の自動ドアがつくことになっています。
自動ドアには、ドアを開閉するための駆動部分があり、
これらはメンテナンスが必要な為、
外部から点検できるようにする必要があります。
また、建具には、建具を構成する枠・方立・無目
扉を構成する框が必要になります。
こうした駆動部分や枠・框は、
その他の部分に透明なガラスを採用しても
内部と外部の連続性を阻害することになるのです。
そこで、この自動ドアの駆動部分や枠・框を
どのように納めるかの検討が始まります。
枠は見付を見せずに壁と同面に納めたり
エンジン部分を天井内に納め、メンテナンスは、
風除室内に設ける天井点検口から行うようにしたり、
扉の框は、エンジン駆動部内部に納まるようにしたりと・・・
ここまで来ると、設計だけではなく、
施工者やメーカーの協力も大切です。
壁面と枠を同面で納めることは、高い施工精度が求められますし
自動ドアの細かな納まりや寸法も重要度を増してきます。
そして、目下の課題は、駆動部の点検口をどう納めるかです。
いかにこの点検口がきれいに納まるかで、
さらに、より良いエントランスになると思います。
今は、様々な建物のエントランスを改めて観察したり
工事監理で現場に行くごとに
このエントランスをどのように納めていくかで
施工者とケンケンガクガクの議論を交わす日々が続いています。
施工者には、良くこんなこと言われます。
「そんな細かいところ誰も見てませんよ!」
確かにそんな細かいところをじっくり見る人は
我々のような仕事に携わる人達だけかもしれません。
しかし、そのような細かい部分、一つ一つの積み重ねが
見た目にも美しく、魅力ある空間になると確信しています。
そして、今日も細かいことに悩む日が続いていきます。
というところで止め処もなくなってきたので、この辺で終わりにしたいと思います。
このエントランスの完成写真は又の機会に・・・
それでは、また
by housingpro
| 2007-12-11 18:45
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