2008年 11月 13日
論ずるは愉し
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「論ずるは愉し」
これは、先日亡くなられたジャーナリストの筑紫哲也氏が発言した
言葉として紹介されたものです。
昨日、最高裁判所の廻りを、その荘厳な姿を眺めながら歩いていたら、
何故か急にこの言葉を思い出したのです。
そういえば、最近、巷で(身近でも)「議論する」機会が
おおいに減っているのではないかと感じられたからかもしれません・・・。
筑紫哲也氏は、ニュースキャスターとして有名ですが、
私にとっては1984年から1987年まで「朝日ジャーナル」の編集長を
務めていた時代の活躍が一番印象に残っています。
「新人類の旗手たち」という特集は、若者たちという「人」に焦点をあてて、
時代を表現しようとした企画であったよう記憶していますが、登場人物が
同世代ということもあり、毎週興味深く読んでいました。それまでの世代と違い、
社会や体制を真っ向から批判したり、反旗を翻すのではなく、全く違うセンスや
思想(コンセプト)を持ち込んで、新しいスタイルを確立しようとしていたように思います。
内容を完全に理解できないのに、ニューアカデミズムの旗手でもあった浅田彰氏の
著書 「構造と力」や「逃走論」のベストセラーを携帯することも一種のファッションと
化していました。
もっともいつの時代でも、旧世代は新世代の若者に批判的で、「新人類・・」
という言葉も、「軽薄な・・」に擬えるように使用する先輩方もいらしたように
記憶していますが・・・。
一方、建築界では、1980年代はポストモダンの時代とも言われ、
建築家は機能主義、合理主義のモダン建築からの脱却を訴え、
装飾性や多様性をまとった建築を排出させ、まだその立場に立って
いなかった若者は、思想についての多くの議論の華をあちらこちらで
咲かせていました。
「建築」は、機能、周辺環境、地球環境、社会情勢、コスト・・・・と
あらゆる与条件から創造されますが、その与条件を解釈する設計者によって
全く違う形を形成します。その意味でも、独りよがりにならない「解釈」や「表現」を
するためにも、「議論する」ことが大切だと思います。
そのためには自分の立場を明確にし、相手の立場や思想、要求等十分に
理解をしなければなりません。自分たちのスタイルを再確認するためにも
そのような機会を積極的に増やしていきたいと思います。
常務取締役 安藤暢彦
これは、先日亡くなられたジャーナリストの筑紫哲也氏が発言した
言葉として紹介されたものです。
昨日、最高裁判所の廻りを、その荘厳な姿を眺めながら歩いていたら、
何故か急にこの言葉を思い出したのです。
そういえば、最近、巷で(身近でも)「議論する」機会が
おおいに減っているのではないかと感じられたからかもしれません・・・。
筑紫哲也氏は、ニュースキャスターとして有名ですが、
私にとっては1984年から1987年まで「朝日ジャーナル」の編集長を
務めていた時代の活躍が一番印象に残っています。
「新人類の旗手たち」という特集は、若者たちという「人」に焦点をあてて、
時代を表現しようとした企画であったよう記憶していますが、登場人物が
同世代ということもあり、毎週興味深く読んでいました。それまでの世代と違い、
社会や体制を真っ向から批判したり、反旗を翻すのではなく、全く違うセンスや
思想(コンセプト)を持ち込んで、新しいスタイルを確立しようとしていたように思います。
内容を完全に理解できないのに、ニューアカデミズムの旗手でもあった浅田彰氏の
著書 「構造と力」や「逃走論」のベストセラーを携帯することも一種のファッションと
化していました。
もっともいつの時代でも、旧世代は新世代の若者に批判的で、「新人類・・」
という言葉も、「軽薄な・・」に擬えるように使用する先輩方もいらしたように
記憶していますが・・・。
一方、建築界では、1980年代はポストモダンの時代とも言われ、
建築家は機能主義、合理主義のモダン建築からの脱却を訴え、
装飾性や多様性をまとった建築を排出させ、まだその立場に立って
いなかった若者は、思想についての多くの議論の華をあちらこちらで
咲かせていました。
「建築」は、機能、周辺環境、地球環境、社会情勢、コスト・・・・と
あらゆる与条件から創造されますが、その与条件を解釈する設計者によって
全く違う形を形成します。その意味でも、独りよがりにならない「解釈」や「表現」を
するためにも、「議論する」ことが大切だと思います。
そのためには自分の立場を明確にし、相手の立場や思想、要求等十分に
理解をしなければなりません。自分たちのスタイルを再確認するためにも
そのような機会を積極的に増やしていきたいと思います。
常務取締役 安藤暢彦
by housingpro
| 2008-11-13 15:42
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