2011年 07月 21日
集合住宅と保育園
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現在幼稚園の工事が進んでいます。
更地にした状態から一期工事の基礎がどんどん立ち上がってきました。
週に一度現場に行くので、前の週との違いがはっきりと分かります。
毎度のことですが、実際に形になってくると感慨深いものがあります。
ちょうど今、集合住宅や保育園の設計をしているので、
今回はコルビュジエが設計した、保育園が併設されている集合住宅である
マルセイユのユニテダビタシオンについて書いてみます。
ユニテダビタシオンは高層の集合住宅で、
1階がエントランスとピロティー、建物の中層階に店舗やレストラン、
最上階に保育園と体育館が併設されています。
この建物内で食品や本など生活に必要な物が揃い、
身近にあったらいいなと思う施設が入っているので
とても生活しやすいのではないでしょうか。
ちなみに本屋さんはコルビュジエに関する書籍をたくさん扱っていました。
(写真はエントランス)
住戸はメゾネット(1つの住戸が2層で、住戸内に階段があるタイプ)になっていて、
コルビュジエが提唱したモデュロールを基に設計されています。
(モデュロールとは、身長約180cmの人体の寸法と黄金比から作った建物の寸法の基準です。)
中に入るとこぢんまりとしていますが、
リビングに吹抜けと大きな窓があり、あまり狭さを感じません。
空間に縦の広がりがあると開放感があります。
住戸内全体の空間が、吹抜けや開けっぱなしにできる幅の広い引戸によって
緩やかにつながっています。
モデュロールによって家具や階段などの全ての寸法が
「大きすぎないこと」
が、何ともいえない居心地の良さを醸し出しているのかもしれません。
(写真はフェルミニのユニテでホテルに改装中の住戸です。マルセイユではありません。)
保育園はユニテの屋上にあります。
屋上から更に一層浮かせているので、さながら空中保育園!
残念ながら中には入ることができなかったので、屋上の園庭から保育園を撮影しました。
園庭に遊具はありませんが、プールとスロープと小さく囲われたベンチがあります。
もっともユニテは広大な敷地に建っているので、
こども達は下の芝生の庭まで遊びに行くのかもしれません。
スロープの天辺から海を望む夕景が素敵でした。
保育園の西側の窓の外にはルーバーが付いていて、日射の調整をしています。
西側の窓の外のルーバーは、エアコンなどの空調の負荷の軽減に有効なため
環境に配慮した建物に付けられることがありますが、
約60年前に建てられたこの建物に採用されています。
コルビュジエの建築を訪れて感じたのは、一見思想やデザイン重視のようですが、
建物を使う人や住む人のことをきめ細かく考えて設計しているということです。
そして、それらのアイディアが現在の建築のスタンダードになっているのを目の当たりにして、
巨匠と呼ばれる所以は思想だけではないんだなと思いました。
今年の夏は、安藤忠雄さんが設計された淡路島にある本福寺の水御堂を見学するつもりなので、
行けたら載せます。
平山裕子
更地にした状態から一期工事の基礎がどんどん立ち上がってきました。
週に一度現場に行くので、前の週との違いがはっきりと分かります。
毎度のことですが、実際に形になってくると感慨深いものがあります。
ちょうど今、集合住宅や保育園の設計をしているので、
今回はコルビュジエが設計した、保育園が併設されている集合住宅である
マルセイユのユニテダビタシオンについて書いてみます。
ユニテダビタシオンは高層の集合住宅で、
1階がエントランスとピロティー、建物の中層階に店舗やレストラン、
最上階に保育園と体育館が併設されています。
この建物内で食品や本など生活に必要な物が揃い、
身近にあったらいいなと思う施設が入っているので
とても生活しやすいのではないでしょうか。
ちなみに本屋さんはコルビュジエに関する書籍をたくさん扱っていました。
(写真はエントランス)
住戸はメゾネット(1つの住戸が2層で、住戸内に階段があるタイプ)になっていて、
コルビュジエが提唱したモデュロールを基に設計されています。
(モデュロールとは、身長約180cmの人体の寸法と黄金比から作った建物の寸法の基準です。)
中に入るとこぢんまりとしていますが、
リビングに吹抜けと大きな窓があり、あまり狭さを感じません。
空間に縦の広がりがあると開放感があります。
住戸内全体の空間が、吹抜けや開けっぱなしにできる幅の広い引戸によって
緩やかにつながっています。
モデュロールによって家具や階段などの全ての寸法が
「大きすぎないこと」
が、何ともいえない居心地の良さを醸し出しているのかもしれません。
(写真はフェルミニのユニテでホテルに改装中の住戸です。マルセイユではありません。)
保育園はユニテの屋上にあります。
屋上から更に一層浮かせているので、さながら空中保育園!
残念ながら中には入ることができなかったので、屋上の園庭から保育園を撮影しました。
園庭に遊具はありませんが、プールとスロープと小さく囲われたベンチがあります。
もっともユニテは広大な敷地に建っているので、
こども達は下の芝生の庭まで遊びに行くのかもしれません。
スロープの天辺から海を望む夕景が素敵でした。
保育園の西側の窓の外にはルーバーが付いていて、日射の調整をしています。
西側の窓の外のルーバーは、エアコンなどの空調の負荷の軽減に有効なため
環境に配慮した建物に付けられることがありますが、
約60年前に建てられたこの建物に採用されています。
コルビュジエの建築を訪れて感じたのは、一見思想やデザイン重視のようですが、
建物を使う人や住む人のことをきめ細かく考えて設計しているということです。
そして、それらのアイディアが現在の建築のスタンダードになっているのを目の当たりにして、
巨匠と呼ばれる所以は思想だけではないんだなと思いました。
今年の夏は、安藤忠雄さんが設計された淡路島にある本福寺の水御堂を見学するつもりなので、
行けたら載せます。
平山裕子
by housingpro
| 2011-07-21 21:50
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