2011年 08月 22日
大多喜町役場 その1
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週末は猛暑がひと段落し、過ごしやすい陽気でした。
少しは一息つくことができましたが、まだまだ暑い夏は続くそうで、
引き続き体調管理と節電に心がけたいと思います。
さて今回は、大多喜町役場増築工事の内覧会に参加したお話をします。
大多喜町は、千葉県の南部に位置し、
行くまでは知らなかったのですが
お城があり、古い街並みが残る歴史を感じさせるところです。
ここで、千葉学氏の設計により役場の増築が行われました。
内覧会はミサワホームが企画しているAプロジェクトの中で催されたもので
以前から雑誌などで千葉学氏の設計に興味があった私は、
知り合いから誘いを受け、参加することしました。
新庁舎は、旧庁舎の裏側にあり、
外観はスクエアのシンプルな形態です。
外壁に使われている材料は、亜鉛メッキされた鋼板に何らかの処理がされ
亜鉛鉄板の模様を残しながら、濃いグレーの色に仕上げられています。
この亜鉛鉄板の濃いグレーとサッシのシルバーとのコントラストを利かせた白と黒の色構成は
千葉氏の設計でよくみられるものだと感じました。
但し、既存建物との調和という点については
特に配慮がされているように思いませんでした。
内部に入ると、明るく大きな事務空間が広がっています。
四角の平面形に対して、梁が斜めに渡り、網目状の天井が構成されています。
そして、網目状の天井にトップライトから光がもれて、空間を明るく照らしています。
設計では、この斜めの角度と天井を決めるのが大変だったそうです。
コンペの間、千葉氏はずっとこの天井について考えていた
というエピソードを知り合いが話していました。
梁は、様々な角度を検討した結果、
結局もっともシンプルな構成となる45°に落ち着いたそうです。
内部の色彩も、黒と白のコントラストを利かしたメリハリのある構成で
空間認識がしやすいように感じました。
細部の納まりは、さすがと思わせる細かい配慮がなされ
特に建具周りは、枠を細く、あるいは隠して、
壁との境界を無くしています。
この建物特徴は、大きな事務所空間の構成だと思います。
書庫を空間の中央に配し、その上部に向けて2階へ行く階段を設け
書庫の上は、この空間を見下ろす為の展望台のような作りになっています。
この規模の建物だと階段は建物の隅に設けてしまいそうですが
階段を中央に設け書庫の2階部分を展望スペースとすることで、
空間が連続し、開放感を生み出すとともに、
利用者が庁舎の大きな空間を
十分に楽しむことができる構成になっていると感じました。
次回は旧庁舎の方のレポートを書きたいと思います。
佐々木 剛
少しは一息つくことができましたが、まだまだ暑い夏は続くそうで、
引き続き体調管理と節電に心がけたいと思います。
さて今回は、大多喜町役場増築工事の内覧会に参加したお話をします。
大多喜町は、千葉県の南部に位置し、
行くまでは知らなかったのですが
お城があり、古い街並みが残る歴史を感じさせるところです。
ここで、千葉学氏の設計により役場の増築が行われました。
内覧会はミサワホームが企画しているAプロジェクトの中で催されたもので
以前から雑誌などで千葉学氏の設計に興味があった私は、
知り合いから誘いを受け、参加することしました。
新庁舎は、旧庁舎の裏側にあり、
外観はスクエアのシンプルな形態です。
外壁に使われている材料は、亜鉛メッキされた鋼板に何らかの処理がされ
亜鉛鉄板の模様を残しながら、濃いグレーの色に仕上げられています。
この亜鉛鉄板の濃いグレーとサッシのシルバーとのコントラストを利かせた白と黒の色構成は
千葉氏の設計でよくみられるものだと感じました。
但し、既存建物との調和という点については
特に配慮がされているように思いませんでした。
内部に入ると、明るく大きな事務空間が広がっています。
四角の平面形に対して、梁が斜めに渡り、網目状の天井が構成されています。
そして、網目状の天井にトップライトから光がもれて、空間を明るく照らしています。
設計では、この斜めの角度と天井を決めるのが大変だったそうです。
コンペの間、千葉氏はずっとこの天井について考えていた
というエピソードを知り合いが話していました。
梁は、様々な角度を検討した結果、
結局もっともシンプルな構成となる45°に落ち着いたそうです。
内部の色彩も、黒と白のコントラストを利かしたメリハリのある構成で
空間認識がしやすいように感じました。
細部の納まりは、さすがと思わせる細かい配慮がなされ
特に建具周りは、枠を細く、あるいは隠して、
壁との境界を無くしています。
この建物特徴は、大きな事務所空間の構成だと思います。
書庫を空間の中央に配し、その上部に向けて2階へ行く階段を設け
書庫の上は、この空間を見下ろす為の展望台のような作りになっています。
この規模の建物だと階段は建物の隅に設けてしまいそうですが
階段を中央に設け書庫の2階部分を展望スペースとすることで、
空間が連続し、開放感を生み出すとともに、
利用者が庁舎の大きな空間を
十分に楽しむことができる構成になっていると感じました。
次回は旧庁舎の方のレポートを書きたいと思います。
佐々木 剛
by housingpro
| 2011-08-22 11:19
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