2008年 06月 30日
三宅島・1年検査…プロローグ
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先月、伊豆七島の三宅島に行ってきました。
三宅島に行った理由は、残念ながら観光ではなく、仕事です。
昨年、改修工事を行った特別養護老人ホームの1年検査を行う為でした。
皆さんもご存知かとは思いますが
三宅島は2000年の夏に噴火し、全島避難を余儀なくされ、
2005年に避難が解除されるまで、一般人の立ち入りが禁止されていました。
避難が解除されてから三宅島では様々な施設が、
復興に向け、新築あるいは改修されていました。
そんな状況の中、噴火によって破壊された特別養護老人ホームを直し
使用できるようにする為の設計・工事監理業務を
我々の事務所が請負って、私が担当になったのです。
当時、島内の特別養護老人ホームは、一時的に保育園を改修し運営されていました。
しかし、受入れることのできる人数に限りがあった為、
島に帰れずに東京で介護を受け続ける人が多く残されていました。
島に帰れない介護者がはやく戻れるようにする為
施設を改修することは早急な課題でした。
我々が調査の為、最初に島を訪れ、現地に入った時は、
廃墟や使用されていない家が多く残り、その災害の傷跡がまだ如実に残る状態でした。
そして、施設もまさに廃墟になっており、崩れ落ちており、
一部には生活の痕跡がそのまま残っていて
避難の際の慌てぶりが容易に感じとることができました。
今回の改修は、噴火による災害によって壊れた部分を主とする工事でしたが
その爪あとは凄く、外壁にはクラックや爆裂が多数あり、アルミサッシは朽ち果て、
内部の金物製品、厨房機器、さらに、設備機器や電気機器類も
5年間放置されていた影響も含め、火山ガスと塩害による腐食で
全て使用できる状態にありませんでした。
よって、これらを全て改修し、機器類については多くを新設しなければならない
大規模な工事になっていました。
施設を復旧するにあたり問題になったのが、今も噴出し続ける火山ガスです。
現在では、人体に殆んど影響のないレベルまで下っていますが
特別養護老人ホームの利用者は、
通常より、健康的に不安を抱えている人が多くなるので
火山ガスによる影響が懸念されました。
そこで、火山ガスがきても、施設内の環境が正常に保たれるように
活性炭により火山ガスを浄化する脱硫装置と呼ばれるシステムを施設に取り付けました。
そうして、業務を請け負ってから、調査・設計・工事と1年3ヶ月かけて
施設を元どおりにし、昨年4月から施設が再開できるようになったのです。
この工事に関わった1年間は、東京生活に慣れきっている私にとって、
それなりに大変な部分も多くありましたが
設計者のみならず一人の人間として貴重な経験の連続でした。
なかなか分からない島での生活のことを知り、美しい風景をみるという体験もできました。
今では良い思いでとなっています。
今回は島でのスナップ写真を載せます。
三宅島の仕事にまつわる珍道中は次回のお話で・・・・
以上 「TSUYOSHI」でした。
三宅島に行った理由は、残念ながら観光ではなく、仕事です。
昨年、改修工事を行った特別養護老人ホームの1年検査を行う為でした。
皆さんもご存知かとは思いますが
三宅島は2000年の夏に噴火し、全島避難を余儀なくされ、
2005年に避難が解除されるまで、一般人の立ち入りが禁止されていました。
避難が解除されてから三宅島では様々な施設が、
復興に向け、新築あるいは改修されていました。
そんな状況の中、噴火によって破壊された特別養護老人ホームを直し
使用できるようにする為の設計・工事監理業務を
我々の事務所が請負って、私が担当になったのです。
当時、島内の特別養護老人ホームは、一時的に保育園を改修し運営されていました。
しかし、受入れることのできる人数に限りがあった為、
島に帰れずに東京で介護を受け続ける人が多く残されていました。
島に帰れない介護者がはやく戻れるようにする為
施設を改修することは早急な課題でした。
我々が調査の為、最初に島を訪れ、現地に入った時は、
廃墟や使用されていない家が多く残り、その災害の傷跡がまだ如実に残る状態でした。
そして、施設もまさに廃墟になっており、崩れ落ちており、
一部には生活の痕跡がそのまま残っていて
避難の際の慌てぶりが容易に感じとることができました。
今回の改修は、噴火による災害によって壊れた部分を主とする工事でしたが
その爪あとは凄く、外壁にはクラックや爆裂が多数あり、アルミサッシは朽ち果て、
内部の金物製品、厨房機器、さらに、設備機器や電気機器類も
5年間放置されていた影響も含め、火山ガスと塩害による腐食で
全て使用できる状態にありませんでした。
よって、これらを全て改修し、機器類については多くを新設しなければならない
大規模な工事になっていました。
施設を復旧するにあたり問題になったのが、今も噴出し続ける火山ガスです。
現在では、人体に殆んど影響のないレベルまで下っていますが
特別養護老人ホームの利用者は、
通常より、健康的に不安を抱えている人が多くなるので
火山ガスによる影響が懸念されました。
そこで、火山ガスがきても、施設内の環境が正常に保たれるように
活性炭により火山ガスを浄化する脱硫装置と呼ばれるシステムを施設に取り付けました。
そうして、業務を請け負ってから、調査・設計・工事と1年3ヶ月かけて
施設を元どおりにし、昨年4月から施設が再開できるようになったのです。
この工事に関わった1年間は、東京生活に慣れきっている私にとって、
それなりに大変な部分も多くありましたが
設計者のみならず一人の人間として貴重な経験の連続でした。
なかなか分からない島での生活のことを知り、美しい風景をみるという体験もできました。
今では良い思いでとなっています。
今回は島でのスナップ写真を載せます。
三宅島の仕事にまつわる珍道中は次回のお話で・・・・
以上 「TSUYOSHI」でした。
by housingpro
| 2008-06-30 19:47
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